2013年3月26日火曜日

TOEFLを大学受験資格に?

自民党の教育再生実行本部が、TOEFLを国内の大学の受験資格とすることを提言するそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130321-00000074-san-soci

このニュースを聞いて、最初に思ったのは、「高校の授業が変わるな」ということ。
大学入試の英語とTOEFLの最大の違いは、スピーキング・テストがあることだと思う。
中途半端な「コミュニケーション」を学ぶより、どんなちっぽけなことにでも
自分の意見をはっきり英語で言えるようになれば、日本の高校生もずいぶん変わるだろう。
(パンが好きか、ごはんが好きか、みたいなささいなことです。)

でも、難しいな、と思うこともある。

第一に、受験料の高さだ。現在、日本でのTOEFLの受験料は225ドル。約2万円だ。
TOEFLは大都市では月に3回ぐらい受験のチャンスがあるが、気軽に何回も受けられるような
受験料ではない。それでも、たくさん受けたほうが慣れるし、高い点数を使うこともできる。
すると、経済力のあるほうが有利という結果にならないか。

第二に、すべての大学の受験資格とするというが、いわゆる「受験」を経ずに入学する学生
(推薦入試やAO入試)が受けないのなら、大学生の英語力向上につながらないのでは
ないか、という疑問がある。
ただでさえ、受験しない子が増えているのに、TOEFLなんていうものが導入されたら
ますますそれを避けて推薦やAOに走る子が増えないか。

第三に、日本の大学受験生の英語力は、TOEFLで測れるレベルか?という問題がある。
私の予想では、リーディングとリスニングは、大部分の受験生が鉛筆転がして
勘で選んでも変わらないような点をとりそうな気がする。
スピーキングとライティングにいたっては、ほとんど0点みたいな人が大勢出そうな気がする。
そんな状況で合格最低点は何点に設定するのか?
ただでさえ受験生が減って経営の苦しい大学の中には、TOEFL必要なし、を売りにする
ところが出てくるのではないか。
日本人のTOEFLの平均点はおそらく世界最低点になると思うが、それに耐えられるのか、
わが国民は。

追記: TOEFL受けるためにパスポートが必要、というのもネックかもしれない。
     外国に行く予定なくても、1万円以上かけてパスポートを申請するのか。

0 件のコメント:

コメントを投稿