2014年6月28日土曜日

ルワンダでブリティッシュカウンセルがしたこと

先週の授業でのことです。

ルワンダといえば、民族間で大虐殺が行われたこと。
その後、国連の主導で大発展を遂げていること。
そのぐらいしか知識のなかった私なので、英語の授業、しかもmaterial developmentの授業で
読んでくるように言われたものにルワンダが出てきて、初めはちょっと関係がわかりませんでした。

ブリティッシュカウンセルについても、イギリスへの留学を推進する機関、
英語教室を開いたりもしている、
ぐらいの認識でした。

わかったこと。

ルワンダは、もともとフランス語文化圏だったのです。
それが、復興を進める現政権が英語圏に接近をはかった結果、
公用語に英語を加え、学校教育もすべて英語で行われることになったのです。
それを進めたのが、ブリティッシュカウンセルです。

その結果、どうなっているかというと、ルワンダの学校教育は
国民の100%が理解しているルワンダ語でも
多くの国民が話すフランス語でも行われず、
政府の中心になっている少数派が話す英語で行われているのです。
ある日、突然、今まで話していた言葉ではなくて、
ほとんど誰も話せない外国語で授業を受けることになった子どもたち、
外国語で授業をしなければならなくなった先生たち。
どんな気持ちでしょう。

でも、ブリティッシュカウンセルとしては、
政府からの要望で英語化のお手伝いをしているのですから
「よいこと」をしている訳です。
非営利団体ですが、イギリス政府から支援を受けているので、
イギリス国民のためになるように働く、という使命もあります。
英語普及はイギリスのためになるんだから、当然です。
英語を学ぶ人が増えれば、英語話者の仕事の機会も増えます。

みんな、自分の利益のために動いているのね?ショック・・・
と言ったら、「そういうnaiveな感想を聞くのは意外だった」と教授に言われました。

英語を学ぶ、英語を教えるということは、
そういう世界のパワーゲームの一端を担っているのだと
改めて確認したことでした。

2 件のコメント:

  1. Critical Applied Linguisticsの世界ですね。
    ↑難しすぎて、とっても大変な授業でした。
    ただわかったことは、言語と思想が切っても切り離せない。そして、思想は政治。

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  2. Serenaさん、まったくその通りです!難しいということも、言語と思想と政治は切り離せない、ということも。うちの学校のTESOLは、実務よりも完全に理論寄り。しかも、先生方はとても先進的で、social関係に深くかかわっている方が多い印象です。英語がL1の人にとっての「英語」と、日本人にとっての「英語」の意味の違いをひしひしと感じています。

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